夢と予知の関係
〜潜在意識が目覚めれば、異次元の扉が開く時?!〜
* 人間の深層心理に潜入する話 *
 小松左京氏の作品で、人間の深層心理に入り込むという小説がある。奇怪な超常現象の原因を究明するために、患者である一人の少女の深層心理の中を探っていく話である。
・・・苦労してたどり着いたそれは、あまりにも殺伐とした光景だった。灰色の空、地平線の彼方にはどす黒い渦巻き模様がものすごいスピードで遠離っていく。あたりには、暗緑色を帯びた森の他に何もない。冷たい風が音を立てて吹きすさび、荒涼とした世界が広がっている
 探索は続き、彼はどす黒い森の中にさらに踏み込んでいった。暗く霧の漂う中にも何かの気配がないか警戒をゆるめることは出来ない。秘密を見せまいとする迷路、見せかけだけの罠の数々をかいくぐって見たものは、想像を絶する奇怪で醜悪な世界だったのである・・・そこではあらゆる価値観は根底から覆っていた。醜悪なるものが美しく、悪臭も嫌悪すべきものも好ましく思える異質の世界だった。

 足もと一面に広がっているのは、悪臭はなつ花畑だった。花の一つ一つは膿みただれた痔瘻の肛門そっくりの色と形をしており、花芯にはみだらな毛がはえ、その中央の穴からは、血まじりの糞便が時おりのろりと吐き出されて来る。その度に花は痛そうな声をあたり一面に響かせる。その汚らしい花畑の上を奇怪な形をした蝶がひらひらと舞っていた。その蝶は血だらけの花芯を鋭いくちばしで突いては鮮血を吹き出させている。その度に花は耳をおおいたくなるような恐ろしい声で絶叫を響かせているのであった。・・・これが、これが、花のような清純な18才の少女の心の中なのか? 彼は思わず身震いしながらそう思った。
 怨念と憎悪の雰囲気がひそみ、飢餓からくる貪婪さ、賢く美しく生まれなかった恨み、裏切られて傷ついた心、激しい嫉妬、めめしい比較によるひがみ、弱さゆえの屈辱・・・ありとあらゆるまがまがしい意識が怒濤のように渦巻いていた。
 そう、傷ついた人間の心は、ある程度以上になると癒すことも出来なくなる。時間は古傷を覆い尽くすことは出来ても、消すことも解きほぐすことも永久に出来なくなるのだ。        
(小松左京作「ゴルディアスの結び目」より)
* フロイトの夢分析 *
 我々は人生の1/3近くを眠って過ごすと言われている。つまり、夢の世界は我々にとって、知られざるもう一つの世界なのである。そこには、日常は決して気がつくことのないもう一人の自分が存在する場所でもある。
 夢はフロイトやユングによって心理学の主要テーマとして研究されて来た。フロイトは、夢は深層心理の願望が夢の中で形づけられたものと結論づけた。つまり、夢とは性衝動や権力への願望が反映したものだと考えたのである。例えば、ほとんどすべての人間は、セックスに対してはアブノーマルな、つまり異常な要求を持っているとされている。しかし、目覚めている日常生活では、それらの要求を心の底に押さえつけている場合が多い。要求が異常(アブノーマル)であればあるほど、当人は恥ずかしさや道徳的罪悪感から、ひたすら理性によって押さえつけているのが現状だというのである。
 しかし夢の中では、理性による抑圧は緩み、性欲が様々な形にメタモルフォーゼされて出現してくる。
 そこでフロイトは、夢の内容を科学的に分析することで、欲望の正体を突き止めることが出来るのではないかと考えたのであった。
 この結果、フロイトはこうした心の奥底に潜む欲望を無理に押さえつけることによって引き起こされる様々な不満が精神的な変調となってあらわれると結論づけたのであった。
 彼は、欲望の正体を知らずに、わけもわからず怯えるよりも、むしろ自己の隠された欲望の正体を突き止めて自覚することの方が、逆にそうしたプレッシャーから解放される近道であることを発見した。事実、その患者の心理を分析し、その内容を相手に伝えるだけでほとんどの患者の症状が消えてしまったということである。フロイトのこうしたやり方は、現代の心理学療法の基本となっている。

* 潜在意識から発せられる警告 *
 ユングの考え方は、フロイトの理論をもう一段階突っ込んで、夢と予知の関係にまで及んだものである。夢が現実になってしまう正夢などは、全くの偶然の結果ではないと考えたユングは、日頃、本人も気がつかない潜在意識に刻み込まれた記憶が夢としてあらわれ、警告を発しているのではないかと考えたのである。言い換えるならば、一見、デタラメに見える夢の世界は、実は、潜在意識に刻み込まれたもう一人の自分からの心の叫びだというのである。
 一つの例を挙げてみよう。ある医者が夢の中で緊急の連絡を受けた。彼の患者の容態が急変したのである。夢の中で、その医者は、大慌てで取るものも取らずに、車に飛び乗って出発しようとした。しかし、エンジンをかけて斜面をバックしようとしたところが、ブレーキが効かずに車庫にぶつかってしまったのだ。
 結局、この事故の遅れで、彼は患者を死なすことになってしまった。
 目覚めた彼は、今見たのが夢であることに気づいて思わず胸をなぜ下ろした。しかし皮肉なことに、この夢は正夢となって実現してしまった。
 3日後の深夜、患者の家族から容態が急変したという電話を受けたのである。彼はこの前の夢の時と同じように、大慌てで身支度して車に飛び乗った。
 しかし、スタート直後、ブレーキが効かなくなり、斜面を滑り落ちていって車庫にぶつかってしまったのである。そして、その遅れのために患者は死んでしまったのである。すべては夢と同じように・・・
 この事実は何を意味するのであろうか? この医者は、日頃から車庫が急な斜面の下に位置しており、エンジンをかけた直後の車のブレーキ不調を無意識に感じ取っていたのではないだろうか? 毎朝、何事もなく終わっていく中で、いつかはこうしたトラブルに見舞われるかもしれないということを無意識のうちに観察し未来に起こりかねないリスクとして感じ取っていたとは言えないだろうか? こうした、日頃からの観察の積み重ねが、本人も気づかぬ内に深層心理に刻み込まれ、夢の中でもう一人の自分となって警告を発したかもしれないのだ。
 もう一つ例は、ある証券マンが見た奇妙な夢である。誰かが彼にラジオを強引に売りつけようとしていた。さらに誰かがドアの取手に毒を塗り、彼に取手に触れるようにけしかけているのであった。
 異常にひつこく迫って来るので、急に恐ろしくなった彼は、冷や汗をかいてもがきながらやっと目覚めることが出来たが、それから、ずっと夢の内容が気になって仕方がなかった。
 これから起こる不吉な予知ではないかと考えた彼は、急上昇中のラジオ関連の株や債券への投資をためらわずにはいられなかった。
 まもなく、証券業界に衝撃的な事件が起こった。暗黒の木曜日と言われるウォール街の株価急暴落である。この日を境に、あらゆる株券、債券は紙屑と化し、投資家の多くは絶望のあまり自殺し、失業者は何百万と路上に溢れ、世界中を巻き込む大恐慌となるのである。
 もしも、あの時、彼がラジオ産業の株に大量投資していれば、身の破滅を招き自殺に追い込まれていたかもしれなかったのである。すると、夢の内容は、彼にそれを暗示していたのであろうか?
 この夢の場合も、日頃から、この証券マンは、不釣り合いに過熱して急上昇する株価に自分では気づかぬうちに不安と投資リスクのような危機感を抱いていたのではないだろうか? 取手に塗られた毒は、大きな取り引きの影に隠れた落とし穴を意味するものとも考えられる。
 そうすると、そうした、深層心理に刻み込まれた投資リスクに対する不安が警告となって夢に反映されたとも言えるのである。言わば、潜在意識に刻み込まれた夢の世界からの警告なのである。
 普段は何気なく見落しがちな内容でも、人間の潜在意識はしっかりと観察し記憶しているという。
 例え、意識では見えないくらいの素早いスピードであっても、潜在意識はそのわずかな時間内で情報を目ざとく刻み込むのである。この現象は識域下記憶(しきいきかきおく)と呼ばれている。
 この効果を利用したものに、サブリミナル広告がある。つまり、通常の映像の流れの中に1コマとか2コマといったごく短いイメージカットを挿入することによって、視聴者の潜在意識に商品のメッセージを植え込むのである。そして、このフィルムを見た人間は、理由もないのにその商品を買いたい衝動にかられるという。潜在意識に訴えるこの手の広告は、今日、禁止になっているようだ。
 ユングは、このように夢が実現したり、その逆になったりする正夢や逆夢は、潜在意識からのメッセージであると捉え、その内容を分析することにより、今後起こりうる未来を予見出来ると考えたのである。
* 夢状態で解き放たれる特殊能力 *
 ユングの理論をさらに飛躍させ、従来の心理学の範疇をはるかに越えたのがエドガー・ケイシーである。彼の考えは、夢の持つ可能性を神秘的な機能にまで拡大したもので革命的な理論とさえ言われている。
 実際、夢の中には、潜在意識の記憶だけでは、理解出来ないような内容も随分多いのも確かだ。夢の中で知っているはずがない古代文字が浮かんで来たり、何千キロと離れた人間との交信(テレパシー)や会ったこともない人に関する予知や行ったことも見たこともない場所の透視などはユングの理論だけでは説明出来なくなる。それらは、もはや夢判断などの域をはるかに超越しているもので、霊能力、超能力の分野と言い切ってもいいのかもしれない。
 ケイシーによれば、睡眠とは、生の中絶期間、すなわち、臨死に近い状態であるというのである。つまり、人間は睡眠に入ると潜在意識が活動を開始し、超感覚が働くというものである。
 事実、ケイシーは、自己催眠によるトランス状態に入ると信じ難い能力を次々と発揮した。あらゆる難病に対する診断と治療法を与えたりしたばかりでなく、その範疇はビジネスや心のケアから日常の生活の問題、夢の解釈にまで及び、実に、1万4千以上という膨大な催眠透視によるアドバイスを行ったのである。
エドガー・ケイシー(1877〜1945)ケンタッキー州にて生まれる。正規の教育は受けなかったが、彼の心霊能力は、驚異的でノストラダムスらとともに、三大予言者と並び称されている。
 しかも、それらは、慈善の目的で行われ、彼の能力によって多くの人間が助けられたと言われている。全く、彼ほど20世紀最大の予言者の名を欲しいままにした人物も他にはいないであろう。
 ケイシーが、催眠透視を行う際に必要とした情報は、単に対象となる人物の名前とその人物がどこに住んでいるかという点だけであった。つまり、地球上のどの場所にいようとも可能だったのである。後にケイシー自身が述べているように、トランス状態になった彼は、何千キロと離れた患者の潜在意識にコンタクトすることで、情報や知識を得ることが出来たということである。

 ケイシーの理論は、奇跡の力というべきものが人間の潜在意識内に秘められているということであり、睡眠時においてのみ、その能力があらわれるということになる。もう少し、詳しく言えば、レム状態になる時が、脳の一部、潜在意識が活動を始める時であり、様々なミラクルを起こすことが可能になるということである。

 レム状態とは、夢を見ている状態を指し、本人は眠っているが脳の一部(潜在意識)がまだ活動している状態であると言えよう。
 この状態はトランス状態、すなわち恍惚、瞑想状態に入ったと言い換えることが出来る。トランス状態に入ると、脳内のドーパミン(神経伝達物質)が大量に放出されることが知られており、知られざる超感覚が働き出すというのである。
 我々は、目覚めている状態は、嗅覚、聴覚、視覚、味覚、触覚の5大感覚にて日常生活を送っているが、体が休息に入った時、これらの5つの主要感覚も同時に休息に入る。しかし、それに代わるかのように、第六感と言われる特殊な感覚が活動を開始するのである。
 第六感とは、ESP(超感覚的知覚)とも解釈される場合が多い。それは、通常の意識が眠りにつき、潜在意識(超意識)が解き放たれることによって得られる超感覚なのである。超感覚には、テレパシー、透視、予知、念力などの超能力が含まれ、さらに霊界との交信、生前の記憶の想起と言った驚くべき分野までも含まれるのである。潜在意識は、インスピレーションや創造性の源でもあると言ってもよい。また、潜在意識の中には、普段は決して気づくことがない前世の記憶なども詰まっており、それが夢の中ではイメージとして織り込まれて出現することもある。したがって、夢の中では、未来を予見する内容から前世の記憶が垣間顔を出すこともあり、人の運命に関する予知、死者との交信、見えざる物の発見など・・・およそ、現実にはありそうもない能力が発揮されるのである。
 ケイシーの夢に関する理論は、確かに革命的で多くの人に指示されているが、疑問に残るものも少なくはない。その一つに、彼の驚くべき予言がある。それによると、20世紀の終わりまでに、ヨーロッパ大陸が変形し、日本の大部分が海に沈んでしまうほどの大地殻変動が起こるだろうとしている。一方、その反動で海に沈んでいたアトランティス大陸が隆起して来るだろうという衝撃的な内容だが、それらが間違っていたのも事実である。
 しかし、夢が超意識の窓口であり、そこから神秘的な驚くべきパワーが生み出されるという彼の理論は注目に値すると言ってもいいだろう。
* 歴史を動かした夢 *
 世界の歴史をひも解いてみると、有名な事件の陰には、夢にまつわるミステリアスなエピソードがたくさん残されている。そこには、単なる夢による予知から、テレパシー、霊界との交信、転生の記憶など、心霊現象から超自然現象に至るまで幅広く関係していることが多い。
 ローマ帝国の独裁者シーザーが暗殺される直前、彼の妻は恐ろしい夢を見た。それは多くのローマ人が夫の鮮血に手を浸しているという内容の夢だった。不吉な前兆を感じた妻は、シーザーに外出を取り止めるように再三説得した。占い師も、この日が縁起の悪い日であることを忠告したが、シーザーはあざ笑って取り合わなかった。こうして、元老院に入ったシーザーだったが、まもなく、23個所も体中を剣でめった刺しにされて無惨な死を遂げたのであった。
 リンカーンは暗殺される前日、自分が死んだ夢を見たと言われている。彼は夢の中で多くのすすり泣く声を聞いた。泣き声の聞こえる方向に進んでいくと大勢の人間が嘆き哀しむ光景にぶつかった。まわりにある調度品の類は見覚えのあるものばかりである。その広い部屋の中央には遺体が安置されているようだった。
 「誰が亡くなったのかね?」と彼が質問すると「大統領です。今しがた暗殺されたのです」という返事だった。
 そこで、リンカーンは目覚めた。体中汗びっしょりで鼓動は太鼓のように高鳴っていた。見た夢はあまりにもリアルだったので忘れることが出来ぬものであった。
 彼は、しばらくの間、この不吉な夢が気になって仕方なかったが、このところの疲労が溜まって変な夢を見たのだと思い込もうとした。
 だが、皮肉なことに彼の夢は正夢となって実現してしまった。次の日の夜、フォード劇場で観劇中に頭を撃たれ翌日死亡したのである。
 14世紀の始め、フランスの片田舎の果樹園で一人の少女がまどろんでいた。彼女はその夢の中で自分を呼ぶ声を聞いたような気がした。
 しかし、次の瞬間、声は、はっきりと彼女の頭の中に響き渡った。その声は、危機に瀕した祖国を救えという神のお告げだった。
 敬虔なクリスチャンだった少女は、それ以来、祖国を解放するために立ち上がったのである。
 自らをジャンヌ・ダルクと称し、神の助けのもと不可能を可能にして次々と奇跡を起こして大きく歴史を変えていったのである。
 彼女の見た夢とは一体何だったのであろうか?
 また17世紀、シスターベロニカという修道女は、礼拝堂で祈祷中、3日間も恍惚状態に陥り、その間、何度も肉体収縮を繰り返したそうである。首が異常に伸び、そのため身長が25センチほども伸びたと記録されている。これは、複数の人間にも目撃され、アンハーストの不思議として語り継がれている。
 これらの夢にまつわるミステリーは、潜在意識に隠されたもう一つの能力によるもので、超感覚的知覚のなせる結果だと考えられる。しかし、修道女の肉体が収縮を繰り返したという話は、超自然的な現象に入れてもいいのかもしれない。

 夢の持つ驚異的な力は、まだほとんど知られていないのが現状である。興味本位だけの夢占いの概念から離れ、夢のメカニズムをさらに解明していけば、超心理学や超常現象の知られざる謎も解明される日が近いのではないかと思われる。そういう意味で、潜在意識から生み出される奇跡の力は、人間の未来により高い幸福と恵みを持たらし得る存在になる可能性もあるのだ。
* 超感覚を研ぎすます訓練をはじめよう! *
 こうした超感覚は、目覚めている状態でも訓練次第で養うことが出来る。その一つに瞑想がある。瞑想とは、人為的に夢を見ている状態にすることであり、そうすることで様々な超感覚(ESP)を引き出すことが可能になるということであろうか。つまり、瞑想やヨーガの修行を積むことにより、人為的にレム状態に持っていくことで、自らの潜在意識に隠された力を引き出すことも可能なのである。後、一つはドラッグ類を用いて、自然な過程や訓練を省略して、強引にトランス状態に持っていくという方法もある。
 こうした日常には思いもかけぬ特殊な能力、すなわち超感覚が睡眠中や瞑想状態で得られることは、古来より気づいていたと見え、国の運命を左右する事件や政(まつりごと)などで度々行われ、重大な役割を担って来たことが記録されている。
 奈良の法隆寺には、夢殿という八角をした建物がある。そこは、7世紀頃、聖徳太子が夢の中でインスピレーションを得るための場所だったと言われている。
 それよりさかのぼって、3世紀頃、崇神(すじん)天皇の時代に疫病が大流行したことがあったが、困り果てた天皇は、神のお告げを仰ぐべく、神を祭っていた寝床に入り、夢の中で神にお尋ねしたということが古事記の中に記載されている。
夢殿、法隆寺東院にある正堂。聖徳太子が夢を見るための聖所だと言われる。
 一方、古代ギリシアでは、デルフィの神託によってあらゆる取り決めがなされてきた。つまり、何か重大な事件が起こる度に、巫女が何らかの手段で瞑想状態になり、神がかりとなってお告げをしたのである。それは1千年以上も長きにわたって延々と続けられてきた。つまり、困った時には、夢の中でお祈りをして神の声を仰ぐという行為が古代世界ではごく普通に行われて来たのである。古代アステカ族は、幻覚キノコを食べて瞑想状態となった呪術師が予言や治療を行ったという。現代でも、アフリカなどでは宗教的儀式においてドラッグを用いる慣習が根強く残っている。
 アメリカインディアンは、14才になると、淋しい場所に行き数日間そこに留まる。少年たちは、そこで夢を見る状態にするために食を断って孤独になるのである。そして、見た夢の内容で自分が将来、戦士か狩人のどちらに向いているか知るというのである。
 また、マレーシアのセノイ族は、朝起きると、30分は前夜の夢のことを話し合うという。セノイ族にとっては、夢の中で起こる出来事は現実と同じなのである。そうして、彼らは夢の内容を分析して、自分たちの歌や踊りに取り込めるのである。
 インドやオーストラリアの原住民は、夢から独自な芸術を生み出したと言われている。その絵は、家の壁に飾られて死者の魂を讃え、病人を癒すために用いられるのである。
 夢は、忘れやすいものである。夢の中で出されるサインやメッセッジには重大なほのめかしが含まれていることもある。そのためにも、起きた時、夢を思い出してその内容をノートにメモすることは大事なことである。そこから、夢を理解する第一歩が始まるからだ。例え悪夢であっても、その内容を分析することによって、何かのシグナルが含まれていることが往々にしてある。
  不精なあなたも、さっそく今夜から夢日記なるものをつける習慣をお勧めする。きっと、もう一人のあなたが夢の中で大事な警告、アドバイスを発しているはずだろうから・・・   
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