アクセスカウンター
 鏡にまつわる怖い話
〜恐ろしい伝説や鏡のもつ魔力〜
 嵐の夜の深夜、3人の高校生の女の子たちが肝試しをすることにした。怖い話を語り合った彼女らは、血みどろメアリーの肝試しをすることにした。「血みどろメアリー」とは若くして非業の死を遂げた女学生の話である。これ以来、メアリーの霊は鏡の中に封じ込められ、鏡のまえで彼女の名前を唱えると血まみれの彼女があらわれるという恐ろしい都市伝説だ。
 大きな屋敷は夜になると気味が悪いものだ。キャサリンが最初に行くことに決まった。蝋燭だけで一人で二階の浴槽まで行き、真っ暗の中、鏡を見ながら「血みどろメアリー」と3回唱えなければならない。キャサリンは蝋燭を片手に階段を踏みしめながら上ってゆく。時おり雷のゴロゴロという音がする。風の音にまじって、ザーッザーッという雨音も混じり出してきた。
「あんなこと・・・迷信よ。なんてことないんだ。早く終わらせてしまおう。でも・・・怖い。そういう気持ちがよくないんだな」
 キャサリンはぶつぶつと一人言をつぶやきながらのぼってゆく。上りきると右手に古ぼけたドアが見える。

 この部屋だ。ノブをつかんでゆっくり開けてみる。ぎぃー!きしみながらドアの開く音に心臓がちぢみあがる。
 キャサリンは蝋燭をそばのテーブルに置くと鏡の前に立った。窓から横なぐりの雨音が激しくする。蝋燭の光で自分の顔が見えるが、キャサリンはほとんど目を閉じて見ないことにした。
「血みどろメアリー、血みどろメアリー、血みどろメアリー・・・
ああ・・・怖い・・・」
 こうして口早に3回となえた。早く下に行きたい。キャサリンは蝋燭をもつと足早に出ようとした。
「お待ち・・・」声がかすかに聞こえたような気がしてキャサリンはビクッとして立ち止まった。外ではゴロゴロ雷が鳴っている。
「風よ。風の音だわ」そう思って後ろをちらっと見た。ピシッ!稲妻が走って部屋が一瞬明るくなった。
 一瞬、心臓が止まるかと思った。

 いつの間にか背後に、見たこともない髪の長い女性が立っていたのだ。
 白いナイトガウンをはおり、よく見ると胸のあたりは血まみれだ。

長い髪は顔半分をかくし、髪の間からは恐ろしい目つきの片目が恨めしげににらんでいる。

「ぎゃぁー!」キャサリンは悲鳴をあげると転がるように浴室を飛び出した。時計の針はちょうど午前二時を指したところだった。
 キャサリンの見たものがはたして悪霊だったのか幻覚だったのか、ともかく深夜にひとり鏡を見るとよくないことが起こるというのは世界中で共通しているようだ。
 鏡にまつわる恐ろしい話は多い。海外では深夜ニ時に鏡を十三日間続けて覗き込むと、十三日目には自分の死に顔がみえるという気味の悪い話や、「血みどろメアリー」のように女性の名前を三回となえたりすれば、その悪霊を呼び出せるという気味の悪い言い伝えがある。
 昔から、鏡には不思議なパワーが宿ると信じられて、魔術や呪いの儀式のアイテムとして使用されてきた。風水では八角形のものが縁起がいいなどと言う。
 よく不吉な場所や墓場に行くときには、鏡をお守りとして持っていけばいいと言われている。それは悪い霊が鏡に吸い込まれるからだそうで、鏡には災いをはねかえし、幸運を呼び込むお守りとしてのパワーがあるらしい。
 ただし鏡は一歩あつかいかたをまちがえると恐ろしい結果を招くこともある。例えば、自分が写っている鏡が割れると異次元の扉が開き、鏡の世界に引きずり込まれてしまうとも言う。鏡の中の住人は常にこちらの世界の人間と入れ替わることを狙っているからだそうだ。
 また 夜中のニ時に合わせ鏡をしてはいけないとも言う。どうしてだろう?
 それは合わせ鏡をすると、鏡の中で映った世界が無限にどこまでも広がっていくのが見えるが、最後の一枚に自分の未来の姿が映るというのだ。
 もし、それを見てしまうと近いうちに死んでしまうのだそうだ。もう一つの理由は、合わせ鏡は霊の通り道になってしまうので、悪霊がそれをつたってこちら側に来てしまうからとも言われている。
 こういう意味で、家に姿見のような大きめの鏡がある場合は、鏡の置き場にも注意が必要とされている。玄関を開けて真正面に自分の姿がすぐ写るような置き方は、良くないとされているし、寝ているとき、自分の寝姿が鏡に映らないようにしなければいけないとも言われている。
 その理由は寝ている時は無防備な状態になってしまうので、鏡が秘めている魔力を強く受け過ぎてしまうからだそうだ。その場合、鏡を伏せておくか、布をかけておいたほうが無難だと言われている。
 よく鏡を割ると、不吉なことが起こるとか、七年間たたられるなどの言い伝えがあるが、鏡には私たちが想像できないような未知の力が秘められているのだろうか。
( K. I レポートより)
トップページへ

inserted by FC2 system