ポルターガイスト現象
〜思春期のエネルギーが引き起こす未知のパワー〜
 ドイツ語で「騒霊」を意味するポルターガイストは心霊現象の中でも最も多く記録されているポピュラーな現象である。古今東西、世界中で記録が報告されている。古いところでは355年にドイツのある村で起きたことが記録されている。


 その奇怪な現象は人間に危害を与えることはあまりなく、無秩序でありながら、ものすごいエネルギーによる数々の物理現象のくりかえしが特徴とされている。

 例えば、夜中にあるはずのない空間から、石つぶてが無数にバラバラと降ってきたり、テーブルや椅子が突然と激しく動きだしたり、スプーン、フォークの類が生き物のように部屋の中を飛び回ったり、生タマゴがコロコロと人の後をついて行ったりする。   そうかと思えば、ある空間の一角から、人のうめき声のような音が聞こえてきたり、壁に落書きや文字が綴られたりすることもあり、およそその動きには統一性は見られないのである。

 しかし、人間に害を与えることがないと言っても、原因も皆目わからず、不気味で気味の悪いことおびただしい。結局、その家の家族は恐怖のためにノイローゼに陥ってしまうのが普通である。神父、祈祷師などが呼び出され、その現象を封じ込めるための努力がいろいろ試みられるがほとんどの場合効果がないのである。
 そして、不思議なことに、この怪奇現象の起きる家族や周辺には13〜14才ぐらいの思春期の少女、少年がいるという事がほとんどの場合報告されている。


 このポルターガイストは日本でも記録されている。今から250年ほど前の江戸時代、ある旗本の屋敷に近くの村の娘が女中として奉公にあがった。それから、しばらくして奇怪な現象が起り始めた。
 
 大人一人が持てないほどの重たい石の臼が突然と垣根を飛び越えて隣の庭に移動してしまったり、突如、天井に巨石が落下したと思えるようなものすごい音がドスンドスン響きわたったりしたのである。
 また夜になれば、行灯がひとりでに宙に浮かび、茶わんや食器が勝手に落ちてこわれたりするのである。
 それは連日続き、次第に程度を増していくようだった。屋敷の者もこの奇怪な現象のために恐怖で疲労困ぱいしてしまい、山伏、神主などにお払いしてもらったものの全く効果はなかった。

 旗本はこの奇怪な出来事が起りだしたのは、娘がこの屋敷に奉公にあがって以来であることに気づき、娘と何らかの関係があるのではないかと考え、わけもわからないままに娘に暇をやって村に帰した。そのとたん、この怪現象はピタリとおさまってしまったということであった。


 また、200年ほど前の文政年間にもよく似た話がある。江戸のある役人の家で農家の娘を下働きに雇ったところが、まもなく怪現象が起き始めた
 
 誰もいないはずの天井から小石が無数に落ちてきたり、戸棚の中の皿、椀などが勝手に飛び回り、粉々に壊れたりしたのである。その怪現象は激しくなるばかりで、火鉢がひっくり返り、中の灰をぶちまけたり、やがて奇怪な音が所かまわず鳴り出す始末であった。結局、この奇怪な騒動も娘を村に帰すと嘘のようにおさまったということである。


 1958年に、ニューヨーク州のある家に起ったポルターガイスト現象は、科学的調査が徹底的になされた。調査したのは、世界でも最優秀の設備を誇る高名な大学の超心理学研究所であった。この家には12才と13才になる二人の男女の子供がいたが、家具や食器類が勝手に動いたり、びんのフタがはずれて中身が溢れるといった現象がくりかえされた。
 
 2か月にわたる調査の後、これらの現象が手品やインチキによるものではないということ、さらには他の物理的な影響によって引き起こされたものでもないという結果に到達したのである。結局、このケースでも思春期の子供がいたわけである。


  では、ポルターガイストはこれらの 思春期の
子供が 原因で起きる現象なのであろうか?
 

 今のところ、科学的には証明されていない。しかし、彼らとこの怪奇現象とは何らかの関係があると見ていいだろう。

 思春期の人間の持つ不安定な精神状態が何らかの引き金となって、周囲の記録されたエネルギーを呼び起こしているのかもしれないし、自分の深層心理に閉じ込められた欲望のようなものが精神念動力(サイコキネシス)の形で周囲に影響を与えているのかもしれない。


  いずれにせよ、近い将来、未知のエネルギーとして物理学の
一角に加わって来ることは十分に考えられると思う。



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