空からの奇妙な落下物
〜天空の神々のなせる悪戯か?〜
 空からおびただしい魚やカエルが降ったという現象はこれまで、世界の至るところで記録されている。魚だけでなく、オタマジャクシ、ナマズ、カエル、鳥、肉片、果ては、奇妙な結晶のような小石までその内容は実に多種多様に渡っている。
 今から30年程前、南フランスで何万匹とも知れぬヒキガエルが降ったとタイム誌が伝えている。それによると、快晴空に突如、奇妙な暗雲がみるみる広がっていき、大勢の人の目の前で無数のヒキガエルが降り出したという。
 最初はポツポツだったが、そのうちものすごい数のヒキガエルが勢いよく降り出してきた。それは2日間降り続け、街路はヒキガエルの大群で埋め尽くされてしまった。中には、カエルが家屋にまで侵入してきたりで、人々はパニックに陥ってしまったとある。
 また、1861年にはシンガポールで魚のどしゃぶりが起った。魚はこの地方特産のナマズで、水たまりが干上がるとあたり一面はおびただしいナマズの死骸で埋め尽くされた。住民たちは魚は雨と一緒に空から降ってきたと主張した。
 
 このように魚が雨のように降ったとされる記録はオーストラリアだけでも53件の報告がされている。
 空から降ってくるのは魚やカエルだけではない。16世紀のノルウェーでは黄色い野ネズミの大群が雨あられのごとく降ったと記録されている。
 また、約100年前、ルイジアナ州では数百羽の鳥が降ってきたこともあった。その時、空は風もなく快晴だった。鳥はすべて死んでおり、野ガモを含め、この地方には見なれない種類も混じっていたという。
 この他には、氷付けになった海がめが山間部に降ってきたり、全く、その地方には育たないはずの植物の種子が大量に降ってきた事もある。
 また食用肉のコマ切れが落ちてきたり、デリー状の粘着性物質が五、六分にわたりザアザアと音をたてて降ったこともある。それはバターのような泥とも言えるもので、思い切って目撃者の一人が食べてみると羊肉のような味がしたと言われている。
 15世紀ではイスラエル人がこのような天から降ってきたバターを神々からの恵みものとして珍重していたという記述が見られ、荒野で祈り求めたことが記されている。
マナを拾い集める人々をあらわした木版画
 旧約聖書でも、エジプト軍に追われた2百万ものイスラエル人がモーゼに率いられた際、この天からの恵み物をマナと称して食料問題を解決したことが記述されている。これは、密のように甘い樹脂状の物質で、夜明け前に多数発生したという。彼らは、朝ごとにそれらを集めてスープにしたのである。
 マナは、日によっては、一人で2キロ近くも集めることが出来たようで、これは成人の一日分の食料に匹敵するものであった。マナは、この地方特有の樹木から出る分泌物で、したたり落ちて結晶化したものだという説もあるようだ。
 美しい幾何学的模様の盤状の石が降ってきたという話も世界中で記録されている。それは十字の形をしていたり、文字のような記号が刻まれていたり、彩り鮮やかな粒状の玉だったりするらしい。
 これらの落下現象の原因は何によるものだろうか? 理由づけに苦しんだ学者たちは竜巻きによるものとして譲らないが、この竜巻説ではすべてを説明することは到底出来るものではない。
 まず、どうして他の小石、泥、雑草といったものを除いて同じ種類の小生物のみを降らせることが可能なのかということ。 
 次に、静かな快晴の空から、突如降ったりする場合や二日も三日も同じ土地に繰り返し降り続けるケースもあり、到底、竜巻きが原因で起こるとは考えられないのである。
奇妙な結晶状の物質が降ったとされる中世の木版画
 あるいは、まだ知られていない自然現象によるもの、物体のテレポートによるもの、果ては宇宙人による仕業であるとする荒唐無稽な説まであるが今のところ合理的な説明は存在しない。まさに神々のなせる悪戯としか考えられないのである。
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